夢見がちだと思われたくない一心で、できれば言いたくないことなのだが、
私は星を見上げるのが好きである。
空気の乾燥した冬の日なぞは、仕事から帰る道すがら口をぽかんとアホみたいにあけて星を見上げながら歩いている。
かといって星座の名前などにはさほど興味がなく、どの星座がどこにあってどうとかは全く知らないし、覚えようという努力もしない。
ただただ星を見ているのがすきなのである。
いつまでも見ていられる。
なぜか。
不思議なきもちになれるからである。
「いま」見ている星の光は、数億年前に発生した光である。
つまり私は「いま」、「数億年前」を「見ている」のである。
この気分が本当に形容しがたく不思議なのだ。
相対性理論を思い出すのだ。
時間や空間が伸びたりちじんだりするという概念を知ったときの、あの感覚。
そのふしぎなきもちと、単純にみていて飽きないきれいさがある。
そろそろ星がきれいに見える季節だ。
四国は思ったより明るいが、深夜になれば東京よりは星が見える。