2015年1月28日水曜日

あか

2015年1月25日日曜日

ネットで古本を売ることについて:まとめ

自分の商売を説明する機会があり、なかなかの長文になったので
せっかくなので公開します。
ここに書いてあることはあくまでも私が6年くらいネットで本を売っていて実感していることです。

ちがうよ という同業者の方もいるかもしれません。


本を売るサイト
本を売る事の出来るサイトはいくつかありますが
今は古本はほとんどAmazonで売買されていると思います。
売る側も買う側もAmazonを一番利用します。
というのは、Amazonは管理や購入プロセスが非常に楽だからです。
 
Amazonで本を買った事があればわかると思いますが、購入者と連絡を取り合ったり、料金を銀行振り込みするために手続きしたりといった手間が一切ありません。
 
売り手も、本が売れたら発送して、発送登録をすれば、代金はAmazon側が月に一回勝手に振り込んでくれます。もし返品があっても、お金のやりとりは全部Amazonが勝手にやってくれますので非常に楽です。その代わり、Amazonは手数料がちょっと高いです。売れた代金の10%をとられます。
 ※追記2015/3
Amazonの手数料はぼんやりしているいちに15パーセントになっていました。
さらに、 いつのまにか 60円のカテゴリー成約料と100円の基本制約料がかかるようになっていました。

Amazonのメリット・デメリット
Amazonのメリットでありデメリットでもある部分は、購入者からいただく配送料が一律257円であるところです。
文庫本でも、広辞苑のようなデカイ本でも257円の配送料です。
例えばクロネコメール便で82円で配送できる本が1円で売れたら
価格: ¥ 1+購入者からの配送料: ¥ 257
ここからAmazon手数料: (¥ 160)を引くと、
振込金額合計: ¥ 98
になりますので
ここからメール便の代金82円を引くと、16円の儲けになります。
1円の本が16円になるのです。
※↑これを書いている途中でヤマトがメール便を廃止する事を知りました…。送料なども変わってくるかもしれません。
(これを書いた後じっくり読み返しておもったのですが、やはり1円で本を売るのにあまりメリットは在庫整理以外にはないと思いました…)

※追記2015/3
こちらの情報はかなり古い認識だったようです。
改めて料金についてかきました。




メール便で送れないものはこちらが払う実配送料が257円を超えてしまうので、
出品する時に配送料も考慮して価格を設定しておく必要があります

あとAmazonにも弱点があって、Amazonに登録されていない本は出品できません。
ですが、Amazonで買えない本を探している人もいるかもしれないので、そういう本は高く売れる可能性もあります。楽天やYahooのオークションサイトで売ったりしても良いでしょう。ただ、オークションサイトは、お客様とのメールのやりとりや振り込みの管理などを全部自分でやらなければならないのと、出品していられる期限があるので、売れなかったら再出品する手間があります。ただ、配送料はこちらで設定でき、実費分を払ってもらうことができますので、損をしない売り方ができます。

ですがともかくは、まずAmazonをベースにして売っていくのがいいと思います。


①本を安く仕入れる
仕入れようとしている本がマーケットでどれくらいの価格で流通しているのか  を調べる為に、携帯端末があると便利です。

でも、手慣れてくるといちいち調べなくても自分の感覚で本を選ぶようになってくると思います。例えば、私が選ぶ基準は
・自分の興味のあるジャンルであること
・あまり聞いたことのない出版社である事
・初版であること

古本を買う人はカバー、帯付きかどうか、初版かどうか にこだわる人が多いです。特に文学ではカバー帯付きの初版でないとほとんど価値がなかったりします。私は文学を扱ってません。自分が読まないし、売るのが難しいからでと感じています。でも、詳しい人だったら強いでしょう。
学術研究などの本は線引きがあっても読めさえすれば売れたりします。
ただ、文学も学術研究も
増刷されたりして多く流通している本は、当然持っている人も多くすぐ手に入るので、高い値段がつきません。ベストセラーの本は1円とかでも売れなかったりします。(ただし、何版も出ている本でも、何度入荷しても必ず売れる鉄板商品もあります)
 
最初は、買おうとしている本がAmazonに出品出来るものかどうかを調べる為にも、携帯で調べながら買ったほうがいいと思います。古すぎたりマイナー過ぎる本はAmazonに登録されておらず、出品することができません。

Amazonに出品できて、仕入れ価格よりも高く売れそうな商品を仕入れます。すでに同じ商品を出品している人がたくさんいてかつ100円以下で売られている本や、厚さが2センチを超える本(クロネコメール便で送れない本)で500円以下の価格の本は避けてます。


②出品
出品するときはPCの方が楽だと思います。
本の状態を入力する必要があるので、キーボードの方が楽だから。

本の状態は細かく記載しておいた方がよいです。
カバー・帯の有無、初版かそうでないか、汚れ具合、中身に線引きやドッグイヤーの痕があるか。
本が売れて商品が届いたあと、線引きが見つかって返品してほしい  という事がけっこうあります。
鉛筆の線引きなどは消しゴムで消したり、表面の汚れは綺麗にしたり、値段のシール痕をとったりしておいて、どうしようもない汚れなどはしっかり記載しておけば問題ないです。基本的には中古品なので、購入者もそれを考慮して買っている場合が多いので。

③本のクリーニング
・カバーなどの汚れ
消しゴムや、激落ちくんなどのメラミンスポンジで落とせます。軽い汚れならばウェットティッシュなどで拭くと良いです。(アルコール消毒)
・値段のシール痕
シール剥がしなどの専用の製品がありますのでそれで落とせます。
※いずれも、カバーがツルツルしているものに限る。

・側面
ホコリがたまっていたら
ブラシやハケなどでとったり、
ヤケや黄ばみが酷かったら、目の細かい紙やすりをかけます。

・カバーの破れ
専用の修理テープなどがありますが、下手に直そうとしないほうが良いかもしれません。破れは破れのまま、それ以上酷くならないように気をつけていればいいです。出品する時に、破れがある事を記載しておけば、軽くクリーニングしておくだけで良いと思います。
私も本の修復には関心があって、いつか自分で修理できるようになりたいのですが、今は下手に直そうとして失敗した場合が怖いのでやりません。

参考:

④値段
値段の設定はAmazonに現在、同じ商品を出品している人が何人かいると、「最低価格」が分かりますので、最低価格よりちょっと安めにつけます。
たくさん出品されている中で、買う人は一円でも安く買いたいのが普通なので、基本的には一番安く出品している方が売れます。
ただ、
私は、他の出品者が3人未満でかつそれらに100円以下の値段がついていたら、500円以上で出品します。競争相手が少ない本は、1円で出品している人の本が売れた時、最低価格が上がる可能性があるからです(ちょっとわかりづらいかな…)
Amazonでは、出品者は自分の本を一冊でも多く売りたいので、価格の変動が起こります。
例えば、すでに500円で出品されている本があったとします。
自分が同じ商品を499円で出品しますと、自分の商品が最低価格になりますので、買ってもらえる可能性が上がります。しかし、他の出品者が450円に値段を下げてきます。するとこちらも440円に下げる…。セリの逆ですね。そうこうしているうちに、最初は500円で出品していた商品が1円になってしまった…という事が起こります。同じ商品を出している出品者が10人も20人もいる商品ではこういう事が起こります。Amazonで1円の商品があるのはこのためです。
ただし、出品者が自分を含めて2人しかいなかった場合、相手が300円で売っていて、自分が500円で出品していたら、先に売れるのは300円の方ですが、300円の方が売れてしまえば出品者は自分1人になります。ライバルがいないこの商品を欲しがる人はまだまだいるかもしれません。1000円つけていても売れるかもしれません。
つまり、ライバルが少ない商品は、ライバルが減るのを気長に待つという戦法もアリなわけです。
商品を仕入れるときはこういう事も考慮して仕入れます。

⑤発送
本が売れたら、Amazonからメールで通知が来ます。Amazonの手順に従って、納品書を印刷して、本と納品書を梱包して発送します。
Amazonでの出品の仕方や売れた時にすべき事は、Amazonのサイトに詳しく書いてあります。すごく簡単なので実際にやるすぐわかります。

梱包
梱包の方法ですが、メール便で送る場合、厚さが2センチを超えないようにする必要があります。
よくある方法は、本をポリエチレンビニールで包んで(防水のため)封筒にいれます。

メール便で送らない本、ちょっと高級な本は、プチプチで包んでから封筒にいれます。
郵便局で発送するのですが
郵便局では「ゆうメール」という発送方法があって、冊子(本)ならばちょっと安く送る事ができます。その際、中身が本ですよ と見えるようにする必要があります。
封筒に窓をつけて、中身が分かるようにします。

商品を発送したら、発送通知をして完了です。

商品が売れたら当日に発送するのがベストです。発送が遅れると、Amazonでの評価が下がってきます。
評価が下がると購入者に避けられるので、出来るだけ早く発送するのが基本です。
 

基本的に出品数が多ければ売れる本も多くなります。1円の新書でも文庫本でも、一冊でも多く出品した方が良いと私は感じています。まずは商品数を増やして、多くなってきたら、あまり売れない本などを間引きして行くと良いと思います。

現在私は600冊くらい出品していて、1日で2〜3冊売れています。ですが、時期によっては一週間に2冊だったりもします。

因みに私は最初、お父さんの遺品の本を出品して20冊くらい?から始めました。
 

まずはお手元の本を出品してみて、価格を観察しながらゆっくり売っていくのが良いと思います。

 
在庫が少ないうちは、楽天やヤフーのオークションサイトに(手間はかかりますが)出品してみてもいいかもしれません。カードを持ちたくないとか色んな事情でAmazonで買い物が出来ない人もいますので、そういう人は楽天やヤフーで買い物をする可能性があります。

時間があるならば、自分でホームページを作って、書評と一緒に販売するのもありです。
得意ジャンルがあれば強みになります。
普段から本をいろいろ読んでいる人はやっぱりとても有利です。

2015年1月7日水曜日

年頭所感

引っ越しもしまして、自宅がやや不便な場所になったので、自宅古書店が難しそうです。
今年は今迄とはちょっと別のやり方をしなければならないかな  とおもっております。


実店舗をもつことは絶対の目標というか憧れです。

しかし、震災以降、そして今回の引っ越しのキッカケとなった出来事から、

ハード(箱・店舗や住まいなどの場所)志向を少し考え直してみてもいいのではないかと思うようになりました。

今回引っ越しをして実感したのは
思っていたよりも自分がたくさんの物を持っていた  ということでした。

⚫︎コレクション
私はアーカイブが好きで、作品をコレクションしたり、作家さんの展覧会に行ったらDMを分類しておいたり、綺麗なものを拾ったりして標本にするのが好きなのですが、それらの量は大したものではありません。カラーボックスが一つあれば収納できる程度です。

⚫︎本
あとは本。本が多い。これは致し方ない。在庫あっての本屋ですから。
むしろ本屋としてはまだまだ少ないです。

⚫︎服
そんなに持っていないつもりだったのですが、やっぱり多い気がしました。半分くらい処分しましたが、もう少し減らせないかなと思っています。
しかし、おしゃれは捨てたくないので、気に入っている服を数枚に絞れればベストですが、まだまだ出来ていません。


⚫︎台所用品
こちらも相当持っていないほうです。
ですが、食器がまず多いと感じました。
次に調味料やハーブや乾物。


上記の者たちは恐らく私自身が思い入れをもっているので、うまく選別できないのでしょう。





今回の引っ越しで、わかったこと。
今後目指したいのは、
「トランクひとつでいつでも動けるくらいの心持ちで物がとつきあう」

だと。

ちょっと極端ですし、実際は難しいでしょうけれど、私がこの心持ちでいたいのには理由があります。


私はずっと「自分のお家」に憧れていました。
なにかあっても帰れる場所を作ることに憧れていました。
 
しかし震災以降、
帰れる場所は、いつ帰れない場所になってしまうかわからない
とつくづく思いました。
自分の家をもっていても、実家があっても、そこにずっとい続けられる保証はないのだということがわかったのです。

東京生まれの借家育ちである私には、実家がありません。
帰る場所がない不安をずっと抱えていました。
 
でも、どこにでも根っこを下ろせる方が、これからの世界には都合がいいのではないか。

しかし、その考えと「古本屋」という仕事は相いれるでしょうか。
在庫があってなんぼの商売です。

放浪書房さんのようなやり方もありますが、自分のようなものにそんなたくましいことができるでしょうか。

そんなことを考えながらあけて2015年です。

いろいろなやり方を真似したり考えたりしてできるだけ「実践」してゆくしかないと思います。

 





あけましておめでとうございます

2014年はあまり本屋さんとして、あれこれができなかった印象です。
特に後半は予想外の出来事の連続で、引っ越しまですることになったし。

とりあえずは落ち着いてAmazonの営業は再開しています。

年末年始は売れますね。
お正月で暇だと本が読みたくなるのかな。
かくいう私もAmazonで本を買ってしまいました。




おみくじは
だんなさんが凶
私は大吉




今年は一体どうなってしまうのか。



浅草寺でも再チャレンジ




だんなさんが凶で私は大吉









2015年  みものです。