行商カフェのお知らせです。
齋藤祐平さんが企画している一日だけの展覧会シリーズ「天体」会期中に
手鍋焙煎したコーヒーを振舞います。
「天体vol.6 淺井真至編」
5/16(土)14~20時
会場:space dike(http://spacedike.blogspot.jp/)
入場料300円
詳細http://blog.goo.ne.jp/hintandgesture
dikeはオーナー夫妻がDIYでリノベーションした素敵なスペースです。
通常dikeで行われる展覧会やイベント中は、
オーナーの一人畔柳 佐季子さんが出してくださる
おいしい珈琲や手作りケーキなどを味わうことができます。
佐季子さんの作ってくださるものは本当においしいし、ていねいで、
わたしなぞが珈琲を入れさせてもらってよいのだろうか
という気持ちで恐縮しすぎていますが、
dikeは本当に素敵なばしょなので、
そこで行商カフェをやらせていただけるのは本当にうれしいです。
また、淺井真至さんの絵も本当に素敵で大好きなので、
彼の展覧会でカフェをやらせていただけるのが光栄です。
生豆は安い豆ですが無農薬のものを選んで仕入れています。
手鍋で焙煎するので、一度に焙煎できる量は200g~250くらいでしょうか。
大量生産はできませんが、早起きしてがんばって鍋を振り続けようとおもいますので
すてきな展覧会をすてきな場所でみて、コーヒーのんでほっとひといきしていただけたら幸いです。
よろしくおねがいいたします。
さいとうまど
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朝、家事を済ませてからひたすら鍋を降り続け、豆を焙煎しました。
一度に焙煎できるのは、おおさじスプーンで3杯くらい。
それ以上だと、ムラができてしまってどうにもいけません。
①豆を洗って薄皮を出来るだけ落とします。
②豆を拭いて水気を切ります。
ここで、痛んでいる豆や形の悪い豆をより分けます。
③鍋を少し温めてから豆を入れ、アルミホイルで蓋をします。
アルミホイルには爪楊枝などで空気穴を少しあけておきます。
アルミホイルはダブルクリップで鍋に止めます。
止めが甘いと鍋を振っている時豆が溢れてしまいます。
④強火にかけて鍋を降り続けます。
しばらくするといい匂いがしてきます。
さらに、パキパキと豆の爆ぜる音がしてきます。
私はいつもミディアムローストよりちょい深煎りを狙っています。豆の色が足りてないなと思ったらもう少し降り続けます。
そのうちピチピチという細かい豆の爆ぜる音がしてきたらザルにあげます。
物の本によると、この2度目の爆ぜの直前くらいがミディアムローストとしてベストらしく、速攻冷やさないとどんどん焙煎が進んで深煎りになってしまうとのことです。
私の場合、豆達をザルに上げた後、ピチピチ言っているそれらを持って玄関の外へ出て、団扇で遮二無二扇ぎます。
このザルにあげてから玄関で扇ぐまでのタイムロスの間に、私の狙う「ミディアムよりちょい深煎り」になる(ようなきがする)のです。
あと、冷やすために扇ぐと半端じゃないくらい豆の薄皮が飛びますから、部屋の中で冷やすわけにいかないのです。
扇ぎまくって、薄皮も全てとんでいったら、家の中で扇風機に当ててさらに冷やします。
その間に、玄関の外に飛び散った薄皮を箒で掃いて片ずけます。
この工程を
6回くらい繰り返し繰り返し・・・・。
さて、dikeに着いたころ、すっかり展示の準備は整っていました。
真至さんの絵をこんなに沢山、じっくり見る機会がなかったので大変よかったです。
コーヒーも沢山注文いただきました。ありがとうございます。
dikeのサキコさんも美味しいコーヒーを淹れる方で、コーヒーミルやら鍋やら、サキコアイテムを沢山貸してもらいました。特に手動ミルしか持っていなかった私は、サキコ電動ミルには本当に助けられました。
サキコさんとたくさん話をしました。
コーヒーのこと。dikeのこと。放射能のこと…。
雑談のなかで私はこんな話をしました。
エチオピアでは、お客様へのおもてなしに、自宅の鍋でコーヒーを焙煎してお出しするという、茶道のような風習があるとテレビで見たこと。
手鍋焙煎の豆をお客様にお出しして良いのか、不安だった私は、その話を聞いて、手鍋焙煎に自信を持てたこと。
コーヒーはもっと身近で気軽な飲み物なのだと思いました。肉じゃがみたいに、家庭の味がするものなんだと思います。
絵や料理や音楽だって、きっとそう。
肉じゃがなのです。
昔、料理の鉄人で、小林カツ代さんが肉じゃがを作って絶賛されたという話を聞いたことがあります。
家庭料理は鉄人たり得る。
展覧会は盛況でした。絵もグッズもたくさん売れていた様子。
若い絵描き、作家達がdikeを訪れていました。
ここに集ったひとたちを結ぶものはなんだろう。
学校でもなく、職場でもない。
なぜ彼らは出会って、お互いを尊敬し合っているんだろう
というようなことをかんがえたり。
20時を回り、搬出が始まります。
展示は一日だけなのです。
「もったいない」と誰かも私もつぶやきました。
齋藤祐平さん企画の「天体」シリーズは、一日だけの展覧会です。
本当に天体観測のように、その日のその時間にしか見ることができない空です。
展覧会は、演劇や音楽と同じように、時間芸術であり、集団芸術なのかもな
と。